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ヘッジブックを抱える金鉱山会社には要注意

ヘッジブックとは?

例えば、「金」を生産している会社が、将来は「金」需要が過剰になり、「金」の販売取引価格が下落することを懸念したとします。

その場合、金価格の下落に対処するために、自社の生産見込みの「金」や、中央銀行等に保有してある「金」のリースを受けるなどの対処を見越して、先物、オプション等の複雑な取引を行います。これが「ヘッジブック」といわれるものです。

具体的には、仮に金現物の現在価格が500ドル/オンスである場合に、6ヵ月後250ドル/オンスに下落すると見越して、6か月後の販売取引金額を500ドル/オンスで100万オンス売ります、と設定したとします。

この場合、もし6か月後に金価格が750ドル/オンスに上昇した場合には、100万オンスを500ドル/オンスで売らなくてはなりません。

さらに、もし6か月後の埋蔵量を見誤っていて、生産量が追いつかなくなるなどの事態、例えば、80万オンスの生産でしかない場合には、20万オンスを750ドル/オンスで調達しなければならないということになります。

つまり、20万オンス×(750−500ドル/オンス)=5000万ドル分の損失コストを被ってしまうことになるのです。

実際、オーストラリア取引市場に上場していた、Sons of Gwaliaという金鉱山会社は、1988年以降ヘッジを行っていました。

具体的には、主要3地域で年産50万オンス以上生産していたのですが、2004年8月に、自社の埋蔵量がヘッジブックで公約した責任数量に見合わないほど深刻に悪化していると発表し、すべての債権者と企業再建のための支払停止の合意を求めたのです。

なお、各金生産会社が行っているヘッジブックというのは、期間や量、オプションの内容などが異なりますので一概には言えませんが、一般の取引市場で取引する投資家に対しての透明性が確保されているとはいえません。

したがって、ヘッジブックを大量に抱えている金鉱山会社に投資する際には注意が必要です。


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