なぜ金融危機が後退したのに金価格は高値圏にいるの?
金融危機が後退したにもかかわらず、今なお「金(ゴールド)」を買っている人たちが増えているわけですが、これは、再びマネーは株に回帰するかもしれないけれど、リスクヘッジの手段として多少の「金」も積み立てておこうという行動にほかなりません。
なので、市場では、金価格が歴史的高値圏にあるといっても、それほどの喧騒感は感じられないのです。
つまり、ヘッジファンドが何十倍ものレバレッジをかけて大量に「金」を買い漁っていた2008年に状況とは、マーケットの景色が全く異なるのです。
目先の利益を追うあまりに、紙くず同然の投資商品を掴まされた経験がいまだに生々しい記憶として残っているので、リターンを最大に求めるというよりは、むしろリスクを最小限にとどめたいということになるのでしょう。
そのためには資産を分散して運用するしかないわけですが、これこそがサブプライムローン問題を端に発する金融危機と世界同時不況により学んだ教訓なのではないでしょうか。
金買いはドルへの不信任
そもそも「金(ゴールド)」を買うという投資行動自体、ドルに対する不信任投票にほかならないわけで、それはイコール、ドル札の発行元である米国経済への不信任でもあるわけです。
それは、言い換えれば、その経済政策を運営するバラク・オバマ大統領やベン・バーナンキFRB議長、ガイトナー財務長官への不信任でもあるのです。
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