世界最大の金保有国は米国
「金(ゴールド)」の希少価値も最もよく認識しているんは米国といっても過言ではありません。というのも、今でも8,000トンを超える「金」を抱える世界最大の金保有国だからです。
ちなみに、2008年時点において米国の外貨準備に占める「金」の割合は、78.9%にも上ります。
米国以外では?
近年は、米国以外でも外貨準備として「金」を保有することが再評価される傾向にあります。
欧州中央銀行では対外準備資産の15%を「金」で保有することをガイドラインとしていますし、中国に至っては公的金保有量を75%も増加させているからです。
ちなみに、IMF(国際通貨基金)から定期的に公表されている、公的機関金保有量のランキングでは、2009年3月末時点で9位だった中国が同6月末では6位まで上がってきています。
中国の金保有と米国債との関係は?
中国があえて2兆ドルの外貨準備の分散運用として、金購入を発表したというのは、ある意味において米国に対する牽制も含まれているように思われます。
というのは、この「中国は金準備増強に踏み切る」という発表の時期が、ティモシー・フランツ・ガイトナー財務長官が、北京詣でをして、中国に米国債購入をお願いしていた時期と重なったからです。
つまり、中国はいつまでも米国債ばかり買い続けるわけにはいかないということを暗に言っているということです。
とはいっても、米国債が売られて米ドルが下落して最も損をするのもまた、世界最大の米国債保有国である中国ですから、そう簡単に米国債売りに走ることもできないともいえます。
<2009年6月時点の公的機関金保有量ランキング (World Gold Council)>
■米国 ⇒ @8,133トン A78.3%
■ドイツ ⇒ @3,412トン A69.5%
■IMF ⇒ @3,217トン A −
■イタリア ⇒ @2,451トン A66.1%
■フランス ⇒ @2,450トン A73.0%
■中国 ⇒ @1,054トン A1.8%
■スイス ⇒ @1,040トン A37.1%
■日本 ⇒ @765トン A2.1%
■オランダ ⇒ @612トン A61.4%
■ロシア ⇒ @536トン A4.0%
■ECB ⇒ @501トン A18.3%
■台湾 ⇒ @423トン A3.8%
■ポルトガル ⇒ @382トン A90.3%
■インド ⇒ @357トン A4.0%
■ベネズエラ ⇒ @356トン A36.5%
■英国 ⇒ @310トン A17.9%
※@=金保有量A外貨準備の中に占める金の割合 |