2001年のペイオフ解禁前夜
21世紀に入ってからも、前述したような傾向は続きます。例えば、2001年のペイオフ解禁前夜には、再び「ゴールド・ラッシュ」が勃発しました。
これは、相次ぐ地方銀行の破綻によって銀行預金に対する不安感が高まり、預金から「金」へのマネーシフトが起こったからです。
実際、同年4月のペイオフ解禁を控えた1~3月の金購入量は45トンにも達し、「金」の国際価格も1オンス=300ドルを突破しましたから、日本の金買いの増大は海外にも大きく影響を与えました。
投資家の売り戻しラッシュへ
その後も、国内価格も1g=2,000円から3,000円台へと右肩上がりの上昇カーブを描いていったのですが、その過程において、日本の金市場では投資家の売り戻しラッシュが起こりました。
つまり、高値を警戒して新規の買いが控えられる中、利益を確保したいという売りが殺到したのです。中には、1999年頃に1g=1,000円割れで購入し資産が倍以上に膨らんだ人たちもいたようです。
また、上記の金価格の右肩上がりの過程においては、新たな投資家も出現したといわれています。すなわち、株からの分散投資組といわれる人たちです。
これらの投資家の特徴は、保有していた銘柄を処分して、数百万円分というまとまった資金を「金」に回すというものでした。
ちなみに、東京証券取引所や大阪証券取引所に上場された「金ETF(上場投資信託)」は、こうした投資家の新たな受け皿となりました。
そして、リーマン・ショック直後の2008年10月以降はさらに金買いが進み、2008年10~12月に国内で販売された「金」の量は、前年同期比2.6倍の32トンにまで急増しました。
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