金宝飾需要国の第1位は?
前述した公的機関金保有量ランキングにおいて、世界第3位の金保有期間であるIMFは、経済危機に陥った国々の救済目的で、403トンの金売却を計画していますが、全体的には公的金保有は増加の傾向といえると思われます。
また、民間需要を見ましても、全体で3,880トンあるうち宝飾品需要が2,150トンとおよそ6割を占めますが、これを支える新興国の金需要は衰えそうにあません。
「金宝飾需要国トップ10」を見ましても、2008年時点では、インドが474.6トンと、第2位の中国の326.7トンを大きく引き離す圧倒的な第1位となっています。
そして、かなり離れて、米国、トルコ、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)と続きます。
さらに需要項目別に見ましても、直近では、世界同時不況のあおりを受けて宝飾需要が激減する中で、投資需要が激増しているという「金(ゴールド)」の世界の構造変化が進行しています。
こうした現象は、不景気でゴールド・ジュエリーの購買力が減少する一方で、安全性を求めるマネーが金市場に大量に流入しているという、サブプライム後の世界経済を象徴しているように思われます。
<金宝飾需要国トップ10(2008年)>
■インド ⇒ 474.6トン
■中国 ⇒ 326.7トン
■米国 ⇒ 179.1トン
■トルコ ⇒ 153.2トン
■サウジアラビア ⇒ 108.9トン
■UAE ⇒ 98.4トン
■ロシア ⇒ 94.1トン
■エジプト ⇒ 74.3トン
■インドネシア ⇒ 55.9トン
■イタリア ⇒ 50.8トン |