金(ゴールド)は紙くずにはならない?
世界金融危機の際に金価格が上昇したとき、ニュースなどでは「安全資産の金にマネーが流れた」などと解説されていました。しかしながら、この「安全資産」というのは少々誤解を生みそうです。
おそらくこの「安全資産」という表現は、英語の「safe haven」という単語の翻訳を、「嵐の時の避難港」という意味合いで使っているのだと思われます。
そして、金融危機のような大嵐に見舞われた投資家を船に例えて、その単語の「safe=安全」のみが訳されてしまったのかもしれません。
ちなみに、ここで大切なことは、「金」がセーフであるという意味は、破綻せずに紙くずにならないから安全、すなわち信用リスクがゼロであるということです。
とはいえ、価格変動リスクは存在していますから、安全資産であるとは言い切れませんが…
個人金融資産とはどのようなものですか?
個人金融資産というのは、政府でも企業でもない家計部門が保有している金融資産のことをいいます。
具体的には、現金、預貯金のほか、債券や株式、投資信託、保険、年金などを合計したものになるのですが、これは、日銀が資金循環統計の中で公表しています。
ちなみに、2008年4〜6月期末の個人金融資産残高は1,504兆円となっていますが、この後株価が大きく下落しましたから、現在はもっと少なくなっていると思われます。
なお、通常、個人金融資産という場合には、個人が抱えている負債(住宅ローンなど)が差し引かれていない点には注意が必要です。
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