外貨預金の隠れたコストとは?
外貨預金というのは、外貨投資の代表的なものなので、外貨で資産運用しようとする人がまず思いつく金融商品です。
しかしながら、実際に外貨預金をやってみると思いのほか儲けがでないことに気づくはずです。
これは、外貨預金の手数料が高すぎることが、1つの要因になっています。
具体的には?
例えば、銀行で1万ドルの外貨預金をするとします。
あなたは、テレビのニュースで、現在1ドル=110円と言っていたので、今1万ドルを買って111円のときに売れば、1万円の儲けになると考えました。
しかしながら、銀行ではニュースの為替レートと同じレートでは、円とドルを交換してくれるわけではありません。
といいますのは、銀行では、毎日午前10時に公示レートをもとに、各通貨の仲値※を決めていて、銀行で顧客が外貨を買うレートというのは、この仲値を基準にして為替手数料を上乗せしたものになるからです。
米ドルの場合ですと、通常1円が上乗せされます。
つまり、仲値が1ドル=110円のときにドルを買う場合には、仲値にプラス1円された1ドル=111円が購入レートになりますので、1万ドル分買うには、111万円が必要となるのです。
そして、その後当初売ろうと思っていた1ドル=111円になったときに、あなたは銀行に行って1万ドルを売ろうとします。
すると今度は、仲値から1円を差し引いた1ドル=110円でないと売ることができません。
この結果、円で戻ってきたのは110万円ということになり、1円の円安により利益を出すどころか、△1万円(110万円−111万円)の損失を出してしまったことになるのです。
これはどういうことかと言いますと、外貨預金の場合は、2円以上円安にならないと、儲けが出ないということになるのです。
※取引の基準レートのことです。 |